定義

ウィンザー・マッケイ 『Little Sammy Sneeze』

少なくともあるメディアが「漫画」と呼ばれるための十分条件は次の4つであると言ってよい。これらを満たすメディアが漫画と呼ばれる事に違和感はないと思われる。

  1. 視覚情報を絵として提示する(文章による説明ではない)。
  2. 絵は話の展開を動的に描写し、情報の本質部分を占める(挿絵とは異なる)。
  3. 聴覚情報は人物のセリフは文字として、音が擬音として表現される。ただし、音楽は擬音ではなく絵やコマの行間のようなもので表現される場合が多い。
  4. コマやフキダシなど独特の形式に沿っている。

漫画では情報伝達に占める絵の重要性がきわめて大きく、情景や人物の動作などはその絵を提示する事で表現される。視覚芸術の一分野に位置付けられるが、1つの画面で完結しない「時間の継起性」において、時間の一瞬を切り取った(近代以降の)絵画とは区別され、1つの画面(フレーム)がコマを指すのか紙面を指すのか不確定なところに、フレームが1つしかない映画との区別がなされる。

本記事においては漫画と表記されているが、「マンガ」や「まんが」と表記される場合、これらの表記は意図的に用いられている場合もある。個々の評論家や研究者によって定義は異なるが、漫画は一コマ漫画のような風刺的なもの、マンガはストーリーをともなうもの、といった区別が見られる場合がある。

漫画と他のメディアの比較
メディア 視覚情報の表現 聴覚情報の表現 画像の連続性
漫画 絵を提示 声は文字化
音は擬音
動的
絵本 絵の提示と文章での説明 声は文字化
音は文章表現か擬音
静的・挿絵的
小説 文章のみで説明
(挿絵が入る場合がある)
声は文字化
音は文章表現か擬音
なし(挿絵は静的)
オーディオドラマ 音声のみで説明 声も音も直接提示 なし
映画・アニメ・ドラマ 映像を直接提示 声も音も直接提示
テロップによって表現されることもある
動的・実時間的
紙芝居 絵を提示 声は読み手の発声
音は読み手の発声による文章表現か擬音
静的・挿絵的
絵画 絵を提示 なし 静的