漫画に関連した書籍

鋼の錬金術師 23 (ガンガンコミックス)

他の方々が絶賛されているので多くを語りませんが、テンポ良く読みやすい面白い漫画だと思います。 それでも少年誌のためか絵のせいか、自分には深いとは感じなく、全体的に軽く感じてしまいます。 それと疑問点を幾つか感じました。まず、大佐の錬金術は反則じみたもので、指パッチンでエンヴィーをリンチ状態。もちろん雨が弱点とか、対象の周りの酸素濃度を調節しているみたいですが、あれじゃぁ弾数無制限のバズーカみたいですよ。あんな地下の密室に近い場所では、酸素が薄くなってしまうリスクが起きても不思議じゃないんですが。 一方のエルリックは便利な錬金術があるにもかかわらず、錬成した槍一本だけで戦っている。大佐登場盛り上げるために簡単にピンチになってしまったり。主人公なのに影が薄くないか? そもそも等価交換だとか錬金術の定義がはっきりしていないところに矛盾が生じやすくなっていると思います。どうもなんでもありの魔法にしか思

MW(ムウ) (1) (小学館文庫)

手塚治虫最大の問題作といわれるゆえんは同性愛、戦争、政治、金、宗教、マスコミ、日米関係etc…わりかしタブー扱いされているものをとりいれてあるところだと思う。ただ、広く浅く感は否めない。そんな中でも会社での日常、工藤探偵事務所的なデカ、神父の葛藤、女性の想いの描写、時折出てくる美しい自然など含めるとやっぱ面白いってなる。まあ何と言っても絶対的神は美知雄であり、悪のヒーローである。この漫画では。だから最後の結末は至極当然であるといえる。個人的にはアドルフの方がガツンときました。でも星五つなんだな。

MW(ムウ) (2) (小学館文庫)

現在開催中の江戸東京博物館の手塚治虫展で、その内容紹介に惹かれて購入しました。1928年生まれの手塚さんは第2次世界大戦を経験していますが、手塚治虫展の本に収められたインタビュー記事で宮崎駿さんは「空襲や戦争を経験した者は、存在の奥に黒い穴みたいなものが開いているんです。自分ではどうしようもないもの。手塚さんも持っていたはず」と語っており、その「黒い穴」が手塚さんにこの漫画を書かせたのだと思います。 優れた小説、クラシック音楽、絵画にここ数年触れてきましたが、医学部を卒業し、小説や音楽にも造詣が深かった手塚さんのこの作品は、戦争という悪から離れて生きられない人間の存在悪を、かつては無垢なる存在だった主人公の結城の悪行をもって、これでもかこれでもかと曝け出し、結城と身も心も深い関係にある神父の視点を通して我々読者がこの根源的な問題に悩む仕掛けが施されています。優れた文学作品にも劣らない、人間の根源的

日本人の知らない日本語

タイトルどおり本当に知らないことがいっぱいで、勉強になりました。 もっと日本語を知りたくなりました。 しかも、ちょっとしたこばなしが面白い。 電車の中では読めません(笑) 軽く読める楽しいマンガです。

ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論

 天皇について書かれた本は数多いですが、偏っていたり、不明確であったり、いまいちなもんばかりです。  それは、今も昔も、天皇が日本にとって、日本人にとって大きな議論を巻き起こすものだということでしょう。  よって、天皇について書かれた入門書というのは、非常にみつけにくいものです。  私自身も、10年くらい前に、天皇のことが知りたくていろいろと読みましたが、なかなかこういう良書に出くわせなかったです。  そのくらい、よい天皇、日本についての良書だろうと思います。  また、構成も売れっ子漫画家だけあって、非常におもしろい。  普通、こういう教養本になると、内容の羅列となり、全くおもしろくもなんともない、タダの教養本に成り果ててしまいます。  そういう意味でもこの本は十分値段の分の価値があるし、それ以上の価値があります。  是非、読んでほしい一冊であり、是非、英訳して海外の人々にも日本を

PLUTO 8 (ビッグコミックス)

人間の感情の中には「憎しみ」という感情がある。 人によって、「憎しみ」の感情の大きい小さいはあるだろうが、全ての人にあると言って良いだろう。 手塚氏、浦沢氏は、PLUTOを通じて、「憎しみからは何も生まれない」ことをメッセージしている。 憎しみが新たな憎しみを生んでいる状況である、イラクやアフガニスタンのテロ組織などに、憎しみからは何も生まれないことを伝えて欲しいと切に願う。

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

原爆が落とされたことをテーマにするのは、広島の表現者のつね、でしょうか。 今年、再結成でふたたび注目を受けている、ユニコーンの奥田民生。 広島への思いはとても強いけれど、投下についてはあまりコトバにされず もっぱら野球ファンとして、広島を応援してりう印象が強い。 ソロの作品にこのようなタイトルの曲があります 「HIROSHIMA」 (一部歌詞) 静けさに沈みかける太田川の光のさざ波〜 広島の物語を読む時に、そこにどうしても原爆投下の影を見てしまうのは なんだかいつも申し訳ない思いになるが その裏だからこそ、日常を生きる・活きる(生活)のきらめきを見よう。 とにかく読んでほしい。 そして、終わったあとに、奥田民生の「HIROSHIMA」を聴いてほしい。 最後の見開きページは、場所は少し違うけど、この曲の雰囲気にぴったりです。

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

作者のこうの先生は、戦争というものを「人の心」から描きたかったのではないかと思う。 この作品は単に戦争の暴力や惨事を語っただけのものではない。 戦争が進むにつれて様々におこる惨事によって、主人公すずの心は歪んでいく。 特に、中場から出てくる、すずの 心の声 には、心が打たれるものがあった。 町、生活、身体、命、絆、心と壊れていく中、それでもすずは健気に暮らして、愛して、愛されて、心を失わぬように生き抜いた。 よく、「戦争はいけない」とは唱えられるが、その多くは命や暴力といった外面的な(外に現れた)事でであると思う。 しかし、これは「戦争の中の暮らし」の中の、死、暴力、惨事など、に よ っ て 壊 れ て い く 心 に、内面的な(内にひめられた)戦争の恐ろしさが描かれています。 そして、その絶望の中で、心を失わず、そばにある小さな幸せを噛み締めること。 戦争のないこの時代にも大切なことが、多く

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

平凡社のホームページで、こうの氏が連載しているエッセイを見つけたが、最新号には本人が戦争作品を描くときに感じたことが書かれていた。直接体験しなかった重大な事実に個人としてどう向き合うかという点について、この上ない誠実さが表れていた。 こうの氏は資料や他人から丹念に事実を集め、戦時下の生活を追体験していった。その結果がこの漫画である。漫画ならではの仕掛けも随所に隠れているから、読み返すたびに楽しめる(中巻の冒頭の径子さんの着物が「小姑」柄だということに最近やっと気付いた)。しかしそれ以上に、作者の誠実な人柄に触れることができるのがうれしい。

サマーウォーズ 公式ガイドブック SUMMER DAYS MEMORY

本作がジブリブランドであったら大ヒット間違いなしの傑作です。 それが8月第2週にして興業ランキング10位…。「ごくせん」や「ナルト」にも勝てずにかろうじてのランキング入り…。 小スクリーンで、公開数週間で上映回数が少なくってきていることは非常に残念です。 大収容スクリーンでロングランしてください!!!! 細田監督は国民栄誉賞に匹敵する作品を残したと思います。 なぜかって?? 劇場へ足を運んで下さい。 本作には日本に失われつつあるもの…これからの来るべき危惧など、全ての要素があります。 鑑賞中に理由の違いはあれども、誰もが涙することでしょう。 アニメという枠を越えて映画史上でも、希にみる傑作であることは間違いありません。